岸田総理大臣は25日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「コロナ禍で苦しかった3年間を乗り越え、経済状況は改善しつつある。他方、今度は物価高に苦しんでいて、今こそ成長の成果である税収増などを国民に適切に還元するべく経済対策を実施する」と述べました。
また、コストカットが優先され、停滞が続いた過去30年の「冷温経済」から、投資や賃上げが活発な「適温経済」への転換を図るには今がチャンスだと指摘し「各種の給付措置に加え、税制や社会保障負担の軽減などあらゆる手法を動員する」と強調しました。
そのうえで
◇物価高対策
◇持続的な賃上げなどの実現
◇国内投資の促進
◇人口減少対策
◇防災対策など国民の安心・安全の確保の5つを、経済対策の柱とする考えを示しました。
具体策としては
▼企業の賃上げを促す減税制度の強化に加え
▼半導体を含めた戦略分野の国内投資や特許などによる所得を対象にした減税制度の創設
それに
▼自社の株を購入する権利、いわゆるストックオプションをめぐる減税措置の充実などの議論を進める意向を明らかにしました。
そして岸田総理大臣は、26日関係閣僚に経済対策の具体化を指示し、来月中のとりまとめを目指して政府・与党で検討を本格化させるとともに、策定後、速やかに裏付けとなる補正予算案の編成に入る方針を示しました。
一方、岸田総理大臣は、記者団から来月、衆議院を解散する可能性があるのか問われたのに対し「経済対策をはじめ先送りできない課題に一意専心、取り組んでいくと申し上げている。現在、それ以外のことは考えていない」と述べました。